キングオブコント2021

キングオブコント2021最高でしたね!!!!空気階段、優勝おめでとう!!!
久しぶりにいい大会(番組としても)見れたのが熱くてうれしくて胸がいっぱいなのでちょっとなんか書いてみます。コント評というよりはわたしの好みを書いただけなので偉そうなところもあるけどわたしの感想はわたしのものなので別にいいってことです。

各コンビの感想(点数)
大会の総評

  • 蛙亭(95点)「実験体No.164」

好きなコンビです。トップバッターでなければもっと高い点数だったに違いない…2本目も見たかったし残念ではあるけど猟奇的な蛙亭らしさがちゃんとおもしろに繋がっていてかなりうれしかった。ヤバのまま終わっていく、なんだったんだ?というネタも多いけどこのネタは謎のハートフル展開で普段の蛙亭の怪奇を知ってるとむしろこの良い話に寄せてること自体がおもしろくなってきて、こいつらハートフルごっこしてんな(笑)とおかしくて仕方なかった。
準決勝はチケット落選したので決勝でどのネタするかは知らなかったけど、蛙亭の公式youtubeチャンネルにアップされていなかったのと、今年のABCの決勝でこれをやらなかったところからKOCのために温存している予感はしていて、あの大舞台でトップバッターで躊躇なくこのネタができるのが蛙亭の強みだとおもう。
つかみの中野の緑の液体のドロドロみと体中にあびたローションの量がキモすぎて最高。あんなグロいのにニコニコしてやんの。イワクラも中野もどちらもヤバいキャラができるコンビだけど、中野の164も登場のインパクトはあるけど本質は変な奴じゃないむしろ良い子だしイワクラは科学者(?)のまともさがあるし、仮に会場がキャーと悲鳴になったとしても中野の笑顔と正義感のギャップで、それはそれで取り戻せる算段のあるネタなんだろうな。
ヌメヌメの人外なのに正義感のある良い奴がかっこよくキメているおかしみと、中野のてらいのないかんじが中野は本当にうまい。岩倉はどのコントでも棒読みなんだけどそのたどたどしさふがコントに悪く影響していないのも蛙亭の不思議さ。164を「ヒロシ」と呼ばせたり、言語感覚がめっちゃ優れてたり、人として察する気持ちまでしっかり芽生えていて、科学者ですら想定できてないほど笑顔で強かったり、おもしろかった。
実験体が逃げ出すというのはなんでもありでどういう展開でもどういうキャラでも生み出せるチートな設定だとおもうけど、その説明に終始するだけでなく最終的にはお互いが心を通わせるところまであってよく出来てる!

見たことあるネタは全部おもしろいトリオ。
ジェラードンってキモい2人のキャラクターが強烈すぎてがちゃがちゃしそうなところをそうならずに(ならないように)しっかりみせてくる印象。トリオというとジャンポケとかもそうだけど、2人のボケにガヤガヤつっこんでリアクションしてやかましいネタをするひとたちが多いとおもうんだけど、しっかり間をとるし、つっこみはあまり介入しないし、見守ったり戸惑ったりするだけの役だったりして、キャラクターコントかつトリオのわりに妙な渋さがある。なんでつっこみの転校生はその場と離れないんだろう?とかちょっとひっかかりはあるし、ネタとしてはもっと2人と関わって交わるほうがおもしろくなりそうだなとはおもうけど、まああいつらとは関わりたくないよね分かるよ(なんでそこリアルだよ)
今回のネタも最後のオチが西本の頭を黙って叩いて去っていく…っていう。アレふつうはなんか言っちゃうよ?つっこまないのか?雑だなあと笑っちゃったんだけど、むかつくの表現としては最短だしありなのかなとおもう。その後の西本の顔芸への信頼がハンパない。
とはいえよく言われてることだろうけど、つっこみ不在でも成立しそうなネタだなとはおもった。もちろんつっこみがいることでかなり見やすくはあるけど。これ劇場でも爆発的にウケてるんだろうな。アー大笑いの会場の中で見てみたいぜ!

好きなコンビです。よく決勝まで来たね…感無量ですよほんと。知名度も話題性もなく、ジェラードンのようなパワー系のネタでもないなか。準決勝でもしっかりウケたんだろうと想像できてそれだけでうれしかったです。
浦井と平井やっと覚えたとおもったら次にみたときにまたごっちゃになって逆に呼んでしまう男性ブランコ。浦井が平井っぽいし、平井が浦井っぽいんだけど、そもそもどっちもどっちの顔しててやっぱり覚えられない。もう一生覚えなくてもいい気すらする。
大会前の事前番組で松ちゃんが「コント師っておしゃべりができないからコントをやってるところもあるし、優勝したからといって売れるわけでもないし」などと言ってたけど、まさしくそういうコンビですよね。申し訳ないけどいまのかんじだとテレビのバラエティで活躍してるのは全く想像つかない。まじめでやさしくて良いウソをつくときにちょっと顔が歪んでしまうそんな2人組です。まさにコントと追及してきたコンビだし、最高大会のKOCで準決勝という成績を残せたのは本当に感慨深い。(空気階段はおしゃべりもおもしろいし10月からは冠番組も決まってるしもう売れるルートは見えてそれは素晴らしいことなんだけど。)
関西弁の変なノリの女に戸惑う(つっこみはしない)男の話かと思いきや、そんな女のことを好きだと一人語りで吐露し、しかもそれが男の妄想だった、いやいや現実でもそんな女でしたイヤッホーっという一人視点のワンテーマかつ同じ場面なのに展開がちゃんとある凝ったネタ。おもしろかった。標準語のおとなしそうな男はガラガラ声の関西弁に引いてしまうものだという潜在意識から、まさか好きなんだ?という裏切りがきもちよかったです。浦井のブスさだけでもおもしろいのに、全然そこではないというかむしろ男が気に入ってしまうというところも逆だし。暗転して平井が語り出すところも唐突になりそうなところを、ネタの冒頭でおなじ暗転で導入説明しているからすごく自然だったし暗転するたびに毎回おもしろかった、本当に良いネタだった。もう一回みたい。浦井のぼつぼつとした話口調って素なんだけど、男ブラのコントにおいてすごい武器だとおもう。

気づけば3年連続決勝か!すごい!なんで「うるとら」がひらがななんだろうという懐疑心はずっと持ち続けていくよ。
うるブギらしい良いネタだった。テンポもいいし掛け合いもいいし。好きだし毎年いいな~とは思うもののライブを買ったりネタを積極的にみたりしていなくて、勝手な話だけどそういう距離感のまま毎年KOCで良いネタみせてもらえてありがたい。
迷子センターのネタ。お父さん自身はやばくないんだけど説明をきいてみると子どもの姿がヤバそうという想像のうえでおかしいネタ。実際のこどもはもちろん登場しないしある意味なんでも盛り放題に言いたいこと言えばいいんだけど、名前や服装や髪型がどうもおかしくて、だけど切実に焦っているお父さんの様子をみるとウソではなさそうというおもしろみがあった。アナウンスで笑いをこらえなきゃいけないというのもうるブギらしい視点。おもしろがってるひとをみるとおもしろくなるっていう共感つうか共鳴みたいなのの使い方がすごくうまい。笑ってはいけないシリーズは笑いを堪えている姿がおもしろいわけで、そういう引き出し方をしてくるのはすごい。確かに点数は伸びなさそうだけど、ふたりで楽しそうにネタ作ってるんだろうなっていつもおもう。

好きなコンビです。おもしろかった!!!
静かなネタではあるけど、は?え?という要素もあってニッ社らしい独特さがずっとあるネタだったとおもう。球を受けるケツの演技がうますぎる。「ンっ」という堪えている声が漏れるたびにおかしくなって、だんだんもっと球が当たればいいのにとすらおもえてきた。
審査員も言ってたけどボケ台詞一切なしで、笑いどころは球が当たっているという1点だけであそこまでおもしろいのすごい。指導していたケツが最後にホームランと連発するというのもオチというより、これまでの奇行の正当性がみえておもしろいという新感覚。辻の「そいつがやりそうにない変なことは絶対するな。そんなことしてウケるよりもそいつがやりそうなことだけを演じてすべるほうがまし」という信念が貫かれててよかった。ケツはいくらでも変なキャラクターにできたし変なボケを入れたら盛り上がったかもしれないけど、そうはしないニッ社の良さが5分間ずっとあった。
なんだろうなニッ社のコントって、うまく言えないけど「場面」とか「シーン」なんだよね。物語でいうと起承転結のどれでもないんだけど、でもどこのシーンであってもおかしくないというか。今回のバッティングセンターもまさしくその「シーン」を描いたわけだけど、これがどう展開するとかもうないよ。起であり承であり転であり結であり、いやそのどれでもない。それでこそとおもう。

  • そいつどいつ

すっぴんのネタで一躍有名になった(?)かどうかは知らないけど、まあ「すっぴんのネタでおなじみ」のコンビです。(かつては空気階段も浮気した男に制裁をくだすコントでいろんなところに呼ばれてたのを思い出す)
パックをした彼女が怖いというポイントから最後はちょっとホラー要素もあるネタ。竹馬の彼氏役めっちゃムカつくんだよな…刺身の彼女の演技のほうで帳消しにされてるけど、あの彼氏の嫌な感じだけでネタ作ってほしいくらい個人的にはあいつが引っかかる。「怖がらせてる」「怖がらせてない」のやり合いが最初からなにか仕掛けているように見えていて単純な平和カップルの会話に見えなかったのがイマイチだった理由のようにおもう。ホラー要素に入る前からだいぶ緊張感あったよね。そもそものネタの色味がそうなのか決勝の緊張からくるものなのかは分からないけど。
好き嫌い分かれそうなホラー部分ですが、わたしはまあアリかなとはおもったけど種明かしされてからも腑に落ちなくて、もっと騙されたかんじだあったらまたちがったかも。

  • ニューヨーク

気付けば人気者。気づけばM-1と合わせて4大会連続決勝のえぐいコンビ。
翌日のニューラジオで今回の最下位が過去イチ悔しいと悶絶してたけど、ほんとにそれくらい期待されていたし、2019年M-1の最下位とはちがう味がするんだろうな。
詳しくはラジオのアーカイブ聞いてくれだけど、「終わった後マジラブ野田さんと今回はばかばかしいコントよりシアター系のコントが強い傾向があったと話してた」「新しい審査員が要因だとおもう」「出順、審査員、結果すべてに文句がないから悔しい」など聞きごたえ十分の分析もあるのでぜひ。
今回のネタは嫌なウエディングコーディネーター大喜利だったわけだけど、ギャンブルに賭ける傾向がある奴、全部違う奴、ひとつひとつはやっぱりおもしろい回答で、そのうえで嶋佐のキャラがハマればもっと盛り上がったんだろうなー。嶋佐の目につけたテープを透明にするか肌色にするか、テープの角度はどうするかでワイワイ盛り上がって今回の形に決めたそうです。たのしそうなエピソードだ…。「あの目のテープのおもろさで2点はもらいたい」という負け犬の遠吠え後日談もおもしろい。やっぱり負けてもこれだけおもしろいんだからありがたいです(本人たちは相当落ち込んでる様子だけど)ちなみにこの嶋佐のキャラは∞ホールの劇場スタッフ及川さんと言う方を完全に模しているらしく、東京吉本勢は大爆笑だったとか。意味不明な目のテープも再現すべき人がいたという。
2本目に用意していた「女上司」のネタはだいぶアレなので決勝ファイナルで見れたらどれほど衝撃だっただろうと思うけど(ジェンダー的に物議をかもしそうでもあるし、炎上するかもしれないけど)しっかりyoutubeに当日のうちにアップしてくれていてさすが。
翌日にはビハインドも聞けるし、分析もしてくれるし、ライブでもちゃんとネタしてくれるし、2本目やる予定だったネタまで見せてくれて、ニューヨークのファンってこれほど福利厚生が行き届いていて幸せだろうなとおもう。

  • ザ・マミィ

応援したいと思い続けているのに、なかなか好きなネタに出会わないコンビです。
酒井のおもしろさも林田の良さも心得ているつもりで、見るたびに名前を聞くたびにがんばれ~っておもうけど、個人的にはずっとイマイチ。好みの問題なので仕方ないですが。
コントが好きなのは十分伝わってきてそれゆえに応援したいしかわいいってなるんだけど、それだけなんだよね。林田くんはたぶん研究熱心なんだとおもう。すごくいろんなコントをみて思い考えたんだろうなとおもうネタでした。
今回のネタ、ヤバい酒井がに平然と話しかけてくる青年に驚くという初手こそ楽しめたけど、それだけだった。「林田のほうがヤバい奴だった」というほうが明快になると思うけど、途中財布を預けてその様子をみるなど試してみるシーンもあってよく分からん。途中から歌になるネタ(ミュージカル風に心を歌うネタ)が個人的に見飽きているというのもあるけど、歌わなければいいなとおもっていたところに音楽が流れたのでウっとなりました。(とはいえニューヨークの女上司は音楽が入るけどそれは必要性があるように思えるし。説明が難しいんだけど)
あまり語るのもなんなのでザ・マミィの話はこれで終わりにします。

いやあ、シビれたね!!最高だった~~~文句なしです。
SMクラブという俗な場所で真剣に動く消防士と警察官。設定も最高だし、消防士や警察官だと身元を明かしていくタイミングもめちゃくちゃおもしろかった。もぐらの体型で消防士なわけないし、かたまりの細さで警察官なわけないわけだけど正義感の立派さと裸の滑稽さ!
ああいう場所で予約の名前を使い分けていたり、給料日だからきつく縛ってもらっていたりという、知らない世界なのになぜあるあるだと分かってしまうんだ…全部おもしろかったです。なんかさあゲラゲラ笑ってるうちに、そうだよなあ消防士と警察官も人間だしそういう欲求は人並みにあるもんだよなとか変な感心ゾーンにまで到達しそうになっちゃったよ、なんだよもうこんなバカげた話でさあ悔しいよもう最高すぎる。段々2人のことをしっかり応援している自分もいて、意味わかんない感情だった。
社交ダンスのフロアを救出するときに両手を縛られながらストッキングに引っ張られたもぐらが横たわりながら社交ダンスを踊ってるのとかさあ、なんだろうねあの刹那は。
構成とか発想とか設定とかそういうプロのひとみたいな評価はできないけど、とにかくなんだか分からないけどすごかったし質量がドシっとズシっとあってとにかく重くてぎゅうぎゅうに詰まってるかんじもあって満腹で大満足です。

おもしろかったー!!最終的に野田(死)と村上と10円玉の3人コントになってるの笑った。ニューヨークのところでも書いたけどこれを野田クリ本人が「ばかばかしい」と客観視してるのも含めてなんか良い。野田クリの疲労が出すぎている顔と村上のどっしりおっさん感で学生服来て男子高生やってり時点でもう無理があって笑っちゃう。
村上があの声で冒頭に状況説明を全部しちゃうんだけど、それを横でウンウン言いながら静かに聞いてる野田がなんかかわいい。10円玉に指を引っ張られて乱舞してる様子は当たり前におもしろかったし、そのあと10円玉に人格が芽生えて生き返った風を装ってみたりする展開も意表をつかれて笑っちゃいました。

ザ・マミィと空気階段が続いて、その影響がなかったわけではないとおもうけどマヂラブのネタって濃いし奇怪なんだけど不思議と何本でも見れちゃうような軽さもある。



ここで最終決戦に行ったのは、空気階段、ザ・マミィ、男性ブランコ空気階段はこの時点で過去最高得点を出しているの2本目で試合したくなボクサーのネタさえしなければ(ロッチ)ぼほ優勝は決まったようなもの!

それでなくてもこの1本目の「火事」は名作で間違いないので気持ち的にはもう晴れ晴れしちゃった。

レジ袋をケチった男のネタ。この設定も2年前には生まれないわけだもんなー。なんとなく感慨深い。
変人に対応する浦井のいい声が優しく響く。変人ではあるけど買い物が少量だったときに3円のレジ袋を断った経験がある身としては、まったく居ないはずのキャラでもないと思わされてたり。
1本目と比べられたらそりゃ見劣りするけど、それでも立派におもしろいコント。お菓子を拾っている時間がゆっくりしていて拾ったあとにもぽろっとひとつこぼれたのは、わざと落としたのか落ちちゃったのか…ハラハラしながら見た。浦井が拾い続けてあげたのは、はじめからかつての友達だと気づいたからなのか、やりとりのなかで気づいたのか、分からないけどきっと当時から2人は自由に楽しんでる子とそれをそっと支えてあげるような関係だったんだろうと想像できるのもよかった。
浦井は俳優としても活躍できそう。

  • ザ・マミィ

1本目の感想とあまり変わらないんだけど、なんかどこかで見たことのあるような設定、展開、オチなんだよなー。ベタという意味じゃなくて(ベタならベタでばかばかしいコントとして好きなので)テクニックだけ盗用したような。
同じボケをいったりきたりするわけだけど、ずっと酒井が席から立たなくてまったく動かなかったのでなにか展開があるのかと思って期待していたなのそれもなく。正直いうとこのコントを見るくらいならもっと2本目を見たいコンビが他にいました。

おもしろかったーーーーーーーーーー!最高最高!
自作のコンセプトカフェを作ってる純真さやばい。準決勝後にもぐらが「白シャツを新調するのに店に行くも、サイズがなくてすったもんだあった」というエピソードトークをしていたので、なんとなくこのネタの予想はしてたんだけど(とはいえ空気階段のネタはもぐらが白シャツを着ているコントが意外と多い)
1本目の火事のネタより好きです。もぐらの演技力が異常なので、つっこみ役もできるしコント内の複雑か感情をしっかり見せられるなにをやらせても成立するのが空気階段の強みだとおもうんだけど、こういうキャラに特化した人物も最高よね。さっきから最高しか言ってないけど最高なので。


書いていくうちにだんだん疲れてきたのが丸わかりで恥ずかしいな。
とはいえ大納得の優勝「空気階段」!!!!!!!!これからもっと売れてくれ!!ラジオもおもしろいし、10月からはテレ朝で冠番組始まるし、とことんいくとこまで行ってほしい!一生コントやってくれ!一生見続けるからね!!!!!